マイホームを建てる際、土地をもっている方であれば、土地代の分の価格を押さえて安く購入することができます。しかし、土地を保有していても土地に係るすべての費用がかからないわけではありません。本記事では、土地ありと土地なしで家を建てる際の費用について比較していきます。今後マイホームをされている方は、ぜひ参考にしてください。
土地ありで家を建てる際の費用とその内訳
土地を保有している方であれば、土地がない場合と比較して低予算で住宅購入が可能です。購入する際の費用やその内訳について解説します。
費用の内訳は、建築費・諸費用・土地代の3つ
住宅購入に係る費用は、主に建築費・諸費用・土地代の3種類に分けられます。建築費はさらに、本体工事費・別途工事費・諸経費に分けられます。この内の大部分を本体工事費が占め、建材や設備など住宅自体に直接係る費用となります。
別途工事費は、配線などのインフラ関係、諸経費は施工会社の現場運営に係るコストです。また、諸費用は不動産取得に際して、必要となる登記の費用のことで、土地の有無に関係なく必要となる費用です。
土地ありの注文住宅の平均費用
注文する住宅の仕様により差はあるものの、2021年度のフラット35利用者調査の結果によると、土地保有者が注文住宅を発注した場合の平均費用は、3,500万円前後です。また、同調査によると、平均的な頭金の金額はおよそ600万円です。当然ながら、費用は都心部になるほど高額になる傾向があるため、予定している居住地の相場を把握することが肝要です。
土地ありでも忘れてはいけない追加費用
土地を保有していることで、低価格での購入が可能な住宅購入ですが、まったく費用がかからないわけではありません。不動産取得に係る費用や、土地回りの経費など、詳細について深堀していきます。
名義変更のための登記費用がかかる
身内から相続した土地の場合、住宅の購入者へ名義を変更するための登記費用がかかります。住宅を当該土地に建てる際は、名義人が一致している必要があるため、必ず名義変更が必要となります。ほとんどの場合、登記の申請は司法書士へ依頼することとなるため、一定の金額が必要となるでしょう。
土地回りに係る費用
他にも、土地回りに係る費用を把握しておく必要があります。具体的には、地盤調査依頼や、必要に応じて地盤改良工事などが当てはまります。住宅を建てる際に地盤の状態は極めて重要な要素となります。
地盤が棒弱な場合、災害時に住宅損壊などのリスクが高まることから、必ず調査しておく必要があります。また、何かしらの欠陥が見つかった場合の改良工事には、内容にはよるものの数百万円程度の費用が発生するため、事前に把握しておくことが推奨されます。
コストを抑えるための賢い家づくりのポイント
土地ありの場合でも一定の金額が必要となる住宅購入ですが、費用を抑えるための対策についても解説します。低予算でマイホームの検討をしている方は、実践してみることがおすすめです。
メーカーの特徴を把握しておく
住宅メーカーは、それぞれに機能面や設備面で特徴が異なります。ある機能や設備を標準で販売しているメーカーもあれば、特注により高額となってしまうメーカーも存在します。そのため、購入段階での要望を整理した上で、最も低価格で理想に近い住宅を建設してくれるメーカーを探すことが重要です。
実際に視察をした際に、現地の営業マンに同社の強みについて聞くことも有効でしょう。すべての要素を取り入れたいという考えは、費用低減の観点から現実的ではないため、複数のメーカーを比較検討し、仕様と価格を吟味した上で、最適なメーカーに依頼するようにしましょう。
ローコスト住宅も検討
ローコスト住宅は、建築に係る工程を工夫することで住宅価格を押さえた住宅を指します。具体的には、資材の一括購入による原価低減や、施工の効率化による人件費の削減、独自のシステム活用による中間マージンの削減などの取り組みです。
土地を保有している状態でローコスト住宅を検討することで、さらなる費用低減の実現が可能です。住宅機能の維持を担保しつつ価格を押さえているため、予算に限界がある場合は検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
本記事では、土地ありと土地なしの場合の住宅購入に係る費用の比較について解説しました。土地を保有していることで、住宅購入の費用を低減できることは間違いないものの、土地に係る費用がゼロとなるわけではありません。地盤などの外部要因により、追加で費用が発生する可能性もあるため、事前にコストの内訳を把握して、予算に組み込んでおくことが最良です。また、比較的低コストで販売されているローコスト住宅も検討することで、予算内での住宅購入も実現できるかもしれません。購入段階で、自身の求める条件などを整理し、最適な提案を行ってくれるメーカーに依頼することが望ましいでしょう。本記事が、住宅購入に係る費用の理解につながれば幸いです。